あなたは踊る

白けた明かりを浴びながら

あなたは踊る

知らずの嘘を着飾って

あなたは踊り続ける

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真白を染めるわけにもゆかず

流し目で背を追う

僕の好きな色が嫌いなのか

葵の上には何もない

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あべこべの現なら

柏手の一つも打てるのに

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あなたは音泣く

誰かの文を読みながら

あなたは音泣く

震える姿を空蝉に

あなたは音泣くふりをする？

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六畳に座すいつかの記憶

昔々の物語

過去に取り付き食い殺すのは

今の僕には出来はしない

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​おぼろげな月明かり

やれよやれよと皆歌う

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あなたは笑う

今宵限りの幽かな正室

あなたは笑う

酔いに溺れて君を忘れ

あなたは笑い続ける

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あなたは枯れる

春を迎えることなどできず

あなたは枯れる

光に照らされ萎れゆく

​あなたは枯れゆくその定め